経営者インタビュー

組織競争力を高めるために ~台湾のFPC製造企業、副社長に聞く 台湾

2016年6月13日(月)16:32

Unimicron-FPC Technology (Kunshan)社
Mr. Lee Kuang-Wei (Vice President)
Taiwan
企業紹介はこちら>>>
 
8293gfagh2ofr94u6b3r-c59cbadb.jpgHIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、台湾(中国)でFPC等製造会社を営む参加者にお話しをうかがいました。
 

-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
 
Unimicron-FPC Technology (Kunshan)社(UFPC)は、Unimicronグループ企業の一つで、フレキシブルプリント回路基板(FPC)やプリント回路基板実装品(FPCA)を専門とし、従業員数2,300名で2004年に設立されました。我が社は中国に工場を持ち、年間およそ43.5億台湾ドル(約135万USドル)の収益を上げています。
 
現在、我が社の主要製品は、有機発光ダイオード(OLEDs)やウェアラブルアプリケーションですが、タッチパネル製品用プリント回路基板や、携帯電話用フレックス、タブレット用フレックス、自動車用フレックスなどの製造も手掛けています。その中で、私は副社長として製造管理全般の責任を負っています。
 
 
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
 
我々は、我が社の企業方針や企業戦略の意味を、社員全員に正しく理解してもらうべく、努力をしています。企業方針は、工場長からマネージャー、監督者、現場のリーダー、そして最終的に作業者の方々に正しく伝えられるべきであり、また正しい理解のもと、会社方針は全従業員によって実行されていくべきです。
  
日々のミーティングや週ごとに行われる会議、四半期ごとに行われる会議や月次報告書などは、我々が目指す状況と現状との「差」を理解するために、きわめて重要な機会であると考えています。
 
外部及び内部品質問題や、処理能力(スループット)を見直し、対応すべき取り組みを検討するために毎朝、ミーティングを行い、翌週あるいは翌月の生産計画を見直すために週次会議を行っています。そして、品質状況並びに生産量等の状況が月次報告書にまとめられ、レビューされます。更に四半期ごとに会議を行い、事業計画の達成率を見直し、次の半年あるいは翌一年間の事業計画において、必要な修正を加えています。また、自社の管理技術レベルを高めるために、自社内でのQCサークル活動の促進に注力しています。
 
 
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
 
我々は、当初計画した財務目標にまだ届いていません。生産工場の運営経費は高く、我々の生産性にも未だ改善の余地があると考えています。そのため、計画通り目標利益に到達していないのだと考えています。
 
また、品質問題はすぐには無くならない問題です。しかし、100万個あたりの不良品数(DPPM)や内部生産工程における不良品発生率(返品率)を減らし、顧客の求める満足感に見合うように、改善していけると信じています。
 
会社の状況を確認した後、我々は戦略の一部を変更しました。まず、検討しなければならない要素を全て検討した上で、我が社の主要製品を有機発光ダイオード(OLEDs)やウェアラブルアプリケーションに変更しました。それにより、我々の対象顧客も変わりました。
 
コスト削減について言えば、10%削減を目指すべき目標と定めました。これを達成するために、生産システムの改善と作業改善の両方について戦略を立てています。従業員には積算ルールの徹底を厳守させ、また仕入原価を下げさせるべく努力をしています。同時に、生産システム改善に向けて、フレキシブルプリント回路基板(FPC)や表面実装技術(SMT)の費用等の見直しを行っています。また作業改善面においても、労働生産性の向上や原材料費の削減に向けた取り組みを行っています。
 
品質改善面では、DPPMを600個以下に下げることを目標にしました。それに向けて現在、多くの取り組みを実践しています。例えば、出荷前の品質検査を入念に行い、品質を管理し、またエラー・プルーフのレベルを高めることに専念しています。完成品の最終品質検査等の不良品回避策を講じる他、DRI管理も責任を持って行っています。スポット的に行う最終品質検査は、顧客の意向を反映したもので、主要検査項目に沿って行っています。
 
 
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
 
市場の動向や注文量にもよりますが、我が社はフレキシブルプリント回路基板(FPC)やプリント回路基板実装品(FPCA)のアプリケーションを組み合わせて、2015年よりOLEDモジュール市場、自動車市場、仮想現実(バーチャルリアリティ)市場、ウェアラブルアプリケーション市場、スマートフォン市場、タブレット市場に狙いを定めています。これらのモジュールは、FPC、FPCAの部品から成り立っています。我々は現在、中国の他、アメリカ、韓国にビジネス展開をしていて、アメリカのタブレット市場やウェアラブル市場においては自社ビジネスを開拓していますが、ヨーロッパやアジア市場においては、まだこれから開拓していく状態です。
 
 
-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?
 
アメリカ市場においては、当社にはいくつかの安定した顧客企業がついているので、日本等、他の国々へのビジネス進出を試みています。現在、日本企業との取り引き先を探していて、これに向けて様々な取り組みを手掛けています。特にハイ・エンド製品において日本企業と取引を行うことが出来れば、我が社にとって大変有益です。日本市場で我々のビジネスを成功させるためには、品質が一番考慮すべきポイントであると考えています。
 
 
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
 
我々組織の競争力を高めるために、従業員との関係や従業員同士の関係を良くしようとしています。会社の中にはそれぞれ異なる部署・部門がありますが、どの部署・部門も、お互いに緊密に連携して、一つの組織として業務を行うべきです。
 
中国の工場では、製造現場で働きたいと思う若い人たちが不足している事、これが当社が直面している課題であり、特に1990年代から目立ちます。新規に採用された従業員の多くは、入社後3カ月間にわたる研修を受けた後、会社を辞めてしまう傾向にあります。そのため、離職率は45%まで上がったこともあります。
 
この状況を改善するために、我々は従業員に対し、モチベーション向上、QCC、実験計画法(DOE)、シックス・シグマなど、様々なテーマにおいて教育の機会を継続的に提供しています。それにより、従業員の能力向上を目指しています。研修期間はテーマによって異なりますが、3カ月から1年間の範囲でプログラムを組んでいます。OJTやシンポジウム、心理的なカウンセリングも従業員に提供し、従業員各人の成長計画を重視し、チームワークの向上を図っています。
 
 
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
 
会社のビジョンが明確で、とても組織化されたシステムと管理手法を導入している、というのが私の日本企業への印象です。それに加えて、日本企業が手掛ける品質はとても高いと感じています。しかし開発途上国においては、品質は顧客にとって必ずしも一番の判断事項ではないこともあります。むしろ中国のような国では、値段や製品の外観をよほど気にしているように見受けます。中国では一年に一回、あるいは一年に二回、携帯電話を新しいものに買い替える人たちがたくさんいると聞いた事があります。日本製品は品質の面ではとても優秀ですが、開発途上国においてはそのまま受け入れられないかもしれません。
 
また、日本経済はしばらく良い状態にありません。我々は現在、日本へのビジネス展開を考えていますので、日本経済の動向は大きな関心事です。
 
 
ご協力ありがとうございました。
海外企業紹介ページのUnimicron-FPC Technology (Kunshan)社はこちら>>>

同国の記事

エントリーがありません

more

海外ビジネスサポートサービス

  • 海外情報配信サービス
  • GHC海外インターンシップ
  • 国際カンファレンス・セミナー
  • 海外ビジネスマッチング
  • 海外市場調査
  • にほんごe-ラーニング

世界に広がるAOTS帰国研修生ネットワーク

海外産業人材育成協会(AOTS)が培ってきた50年以上の研修事業を通じて、43か国と同窓会ネットワークを構築してきました。

各国の同窓会メンバーは製造業を中心とした企業経営者・管理者、相手国政府・公的機関の有力者や技術者で構成されています。この信頼性の高いネットワークを通じて、工業部門を中心とした調査やパートナー企業探しが可能です。

ものづくりと海外をつなぐ

GIJメールマガジン

海外情報や、AOTSプログラム等、情報をご提供します。

  • 無料メールマガジン お申し込みはこちら
  • お問い合わせはこちらから

新着情報

新着ニュースを掲載しております。

more