経営者インタビュー

『顧客が明確に求めているものや、潜在的に求めているものを満足させることが重要』 ~ケニアの装飾用塗料や工業用塗料、各種表面への印刷インキ等の製造会社社長に聞く ケニア

2017年1月5日(木)09:16

Ciandci社
Mr. Odera Chrispine Ouma (Managing Director)
Kenya
 
 
Ciandci社 Mr. Odera Chrispine Ouma (Managing Director) KenyaHIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
 
今回、ケニアで主に高品質な装飾用塗料などにおいて、ニッチ製品の製造を手がける参加者にお話しをうかがいました。
 


-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
 
 
2006年に法人格を取得したCiandci社は、ケニアの急速に成長している中小企業で、約20名の従業員がいます。当社はナイロビの空港への道の北側に位置し、高品質な装飾用塗料や工業用塗料、各種表面に向けた印刷インキを製造しています。また石鹸や洗剤の染料も製造していて現在、東アフリカのあらゆる場所にこれらのニッチな製品を提供しています。
 
 
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
 
 
当社では主にニッチ製品を提供しているため、我々が一番にすべきことは顧客を満足させることです。顧客が明確に求めているものや、潜在的に求めるものを満足させることなくして、我々は長期にわたって会社を維持していくことはできません。それゆえ、当社の従業員は当社で働き始める最初から、この顧客満足の企業文化を受け入れています。我々は絶えず、これらの顧客の要求に応えるべく努めています。毎週月曜日の朝に行われる経営会議で顧客に関する問題を見直し、その問題をどのように軽減していくのか検討することで、当社での新たな週をスタートしています。
 
 
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
 
当社ビジネスの課題は主に二つあります。一つは資本増加の手段で、もう一つは技術やスキルの隔たりです。
 
当社が現在いる段階から次のレベルに移行していくためには、資本の拡大が必要です。我々が東アフリカ共同体(EAC:ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニア)や東南部アフリカ市場共同体(COMESA)の貿易地域両方において、当社が輸出市場をうまく利用することを可能とする規模の経済性を享受するためには、当社は拡大していかないといけません。
 
市場へ特殊な塗料溶剤を提供しているところに我々の強みがあるため、我々は特殊市場を開発していくことを可能とするのに必要な、技術やスキル不足に直面しています。装飾用塗料分野に向けた特殊効果のある塗料を、我々は製造していきたいと考えています。また、風船やリストバンドなどのゴム製品に付着できる特殊なインクも製造したいですが、それには技術が不足しているのです。
 
資本の増強に関して言えば、成長への融資をしてくれる信頼できるパートナーを探しています。また、手が届くパッケージローンを利用できないか、銀行とも話をしています。
 
技術に関しては、装飾用塗料やインクなどの特別塗料をすでに製造している企業との提携をしていきたいと思っています。また我々は、これらの製品を自社で開発しようと試みていますが、それには時間がかかりそうです。
 
 
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
 
 
インドや中国、アメリカやヨーロッパからいつくかの原料を輸入してはいるものの、現時点ではグローバルというような、他の海外企業との関係性はありません。しかし、東アフリカ共同体に属する協力的な企業との技術協力や相互関係については、是非協議していきたいと考えています。日本について言えば、日本の品質は申し分ないことで知られていますので、日本のパートナー企業については簡単に候補者企業リストを作れると思います。
 
 
-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?
 
 
将来的には間違いなく、我々は自社ビジネスを海外展開していこうと計画しています。当然ながら、我々が属する東アフリカ地域でまず展開を始め、その後アフリカ全土に展開していきたいです。日本を含む他の海外市場への展開を考えるのはその後です。しかしながら、我々のビジネスの成長のために、日本企業から技術協力や資金協力を得られれば、と思っています。
 
現在のところ、成長のための資本確保と、適正な製品を製造するための正しい技術や技能の獲得を重要視しています。
 
 
-貴社ビジネスが属する、自国におけるマーケットの状況について教えてください。
 
 
ケニアにおける塗装業は上位層に大きく集中していて、およそ3社の主要企業が市場の約50%を占めています。下位層については、残りの約50%の市場シェアをおよそ100社で競合していて、分裂している状況です。従来型製品に関する限り、この業界は成熟市場にあるといえます。しかし建築家・設計士には今、特別効果塗装を求める新しい傾向が見られつつあります。特殊効果市場は依然として若く、成長期にあります。市場が成熟している従来的な装飾用製品での競争では、共倒れになってしまいます。一方で、この特殊効果塗装分野においてはまだ、企業がさらに参入できる余地があるのです。
 
当社はニッチな製品を作って顧客に提供していますので、泥まみれの競争にそこまで関与していません。従来型製品市場への参入障壁はかなり高いですが、同時に特殊製品市場については低いです。塗装業におけるインク市場も同様の傾向があります。
 
 
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
 
 
繰り返しになりますが、我々はニッチな製品を提供していて、我々の主な分野は特殊製品となります。我々の課題は、当社事業の成長の手助けとなる適切な人材及び技術を獲得することです。我々はこの特殊市場で、当社が効果的に事業を行っていく手助けとなるような、特殊技術を持った人々を探しています。
 
 
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
 
 
日本と日本企業には深く感銘を受けました。日本はとても秩序があり、進んでいる国です。また、とりわけ東京において、いかに効率よく電車システムが機能しているかという点にとても驚きました。駅に行くといつも、電車を乗るのに数分と待たされた日はありませんでした。また、皆がいかに時間に几帳面であるか、日本の文化についてとてもよく分かりました。時間はとても貴重な資源です。日本は、経済発展のためにそれを上手く使ってきたのだと思います。
 
日本企業の先を見据えるやり方は、我々アフリカ大陸のものとは大きく違います。彼らは短期利益で物事を考えておらず、長期的な将来を見据えて考えていると、私は気付きました。ある企業を見学していたときに、本当に感動した出来事が一つありました。その企業では、私はこれまでヨーロッパ諸国、アジア、アメリカ、アフリカ諸国、中東と多くの国々に行ったことがありますが、どの国でも見たことのないことを見ることができました。その企業は、普通では有給職員としての雇用が難しいような障害のある方のために設立されていました。そのモットーは「施しではなく機会を」であり、本当に感動しました。
 
 
ご協力ありがとうございました。

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