経営者インタビュー

自ら進んで行う参加型、積極的なマネジメントで更なる成長を目指す ~バングラデシュのEPC事業会社社長に聞く バングラデシュ

2016年7月29日(金)11:20

Green Power Ltd. 社
Mr. Shaikh Ehsanul Habib (Managing Director)
Bangladesh
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rautwhujzn8v7dmvz3ck-ce002043.jpgHIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、バングラデシュでEPC事業を営む参加者にお話しをうかがいました。

 

-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
 
我々は、主に産業向けのパワーソリューション事業を提供しており、発電所の建設プロジェクトにおけるEPC事業(エンジニアリング設計、資機材調達、製作、建設工事を含む一連の工程)も行っていて、時には海外企業と共同でも請け負っています。我が社は2002年11月に会社登録され、翌2003年半ばからプロジェクト契約を交わしての事業をスタートしています。我々は、望ましい最新のイノベーション及び再生可能エネルギーシステムにより、お客様に費用対効果の高いパワーソリューションを提供することに焦点を当てています。我が社には現在、27人の社員がいますが、EPCプロジェクト契約が取れた際には、稼動開始までの2~3年間、プロジェクトベースで社員を登用しています。
 
我が社の主要製品は、産業用発電機、大規模な産業装置や、購入後のアフターケアです。また、適切な海外企業と共同で取り組む規模の大きな発電所建設におけるEPCプロジェクトも手がけています。我が社は、我が国におけるイノベーションや、財務的に実行可能で最先端技術の促進に熱心で、我が国に適した技術を見つけ、学ぶといった、技術の探求にも心がけています。アメリカのTRACE Inc.社が発行する再生可能エネルギーの認定も受けています。この認定は、企業活動の詳細が精査され、承認を受けた後で受けることができるものです。
 
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
 
我が社では決裁権限は分散化していますが、全てのビジネスプロセスは、Eメール、ショートメッセージ、オンラインでのファイルや関連コストの管理などを通じて、持続可能なビジネス運営に最終責任がある私が見ています。我が社の社員は自分の仕事及びその責任について当事者意識を持つべきであると考えています。
 
我が社のお客様は、我が社の社員同様に我々のビジネスにおいてはステークホルダーです。どのようにそのステークホルダーに接するか、これも我が社の経営哲学において無くてはならない部分です。
 
我々は、業務効率的化、新規市場への参入、最新技術を活かす、あるいは経済状況の低下における影響の削減につながる、どのような変化に対しても柔軟に受け入れています。
 
我々は、自らが進んで行う参加型、積極的なマネジメントを好みます。効果的な最大限の成果を出すための決定について、関係する全員が熟知しているようになることを目指しています。
 
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
 
将来に関する不確定さ、財務管理、業績確認、規制やコンプライアンス、コンピテンシー、適した人材の登用、人材育成、技術の継続的変化、データ探索、顧客サービス、良い評判の維持、また具体的にいつ変化を取り入れるべきかを知ること、などが課題として挙げられます。
 
実際に、我々は自社の人材育成に取り組んでいます。仕事を通じて学び、自信を深めた後に、当社にとって主要な社員が会社を辞め、自ら起業していくことが時々ありますが、私は個人的には肯定的に受け取るようにしています。彼らの新しいビジネスのある段階で、むしろ、より大きな形で我が社に協力してくれる人々が多々いることを見て来たからです。
 
海外企業の参入によるビジネス公平性の欠如は、時にはビジネスの更なる発展を妨げることになりますが、それは一時的な障壁であるにすぎないと、後でわかります。
 
あらゆる個人一人ひとりや、ハイエンドな社会的ネットワーク及び企業と、友好関係を維持することが必要です。我々はどのステークホルダーに対しても最大限の配慮を行うべきです。実際に我が社は、この友好関係の維持を図る方策に注力しています。
 
また、我が社をご利用いただいている顧客企業へのサービスを高めることも必要です。政府が手がけるビジネス獲得という点では、政府機関の担当者が頻繁に変わることも大きな課題の一つです。国家レベルのプロジェクト獲得には、政治的影響はきわめて重要な要因なのです。
 
新しい従業員との間で信頼を勝ち取り、自信を深めさせ、順応してもらうことが必要となります。
 
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。

現時点では、海外にビジネス展開する計画はありません。
 
-貴社ビジネスが属する、自国におけるマーケットの状況について教えてください。
 
このEPC産業では、およそ15~18社が競合していますが、我々はマーケットシェアの約20~22%を占めており、我が社は国内市場において概ね受け入れられていると言えます。この産業における主要企業でも、マーケットシェアは30%以下というのが現状です。バングラデシュでは、土木工事、メカニカルエンジニアリング、エレクトリカルエンジニアリングはそれぞれ異なる業者によって切り離されて行われるのが一般的ですが、我が社はこれらのサービスを全てトータルソリューションとしてご提供しています。そのため、多くのお客様に当社サービスをご利用いただいており、これがこの市場での我々の強みとなっています。
 
低価格製品はいつでも脅威です。しかし、この業界では、ノウハウや経験がないと市場に新規参入するのが難しく、新規参入者にとっては市場でのポジションを築くのはなかなか難しい状況にあります。
 
-日本を含め、他国と自国における商慣習には違いがあると思います。自国での働き方に関する考え方、業務文化、国民性など、他国との際立った違いがあればご紹介ください。
 
民間分野と政府分野と分けてお話します。
 
民間分野においては、一般的に価格にとても敏感であり、かつ同時に品質の良い製品が求められます。時には値切り交渉へと進んで行きます。値切り交渉も様々な段階があり、まずは中間管理職以下のマネージャー間による交渉で始まり、上級管理職級のマネージャー間での交渉、そしてさらにはトップマネジメントレベルでの交渉と分かれています。また他社のサービスやプロジェクトを参照し、それにならうことを好みます。
 
一方、政府分野においては、例えば政府案件への入札応募書類評価のどの段階においても、案件に関係する省庁担当者を個人的によく知っていた方がよい、というのがバングラデシュの一般的な特徴かと思います。政府案件の獲得においては、技術的な資格要件を十分に満たしている必要があり、かつ他の応札者と比べて価格が一番低い必要がありますが、時には関連する官庁と交渉を行うことが必要なこともあります。 
 
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
 
必要に応じて、我が社は従業員をオートキャド、プロジェクトマネジメントといった、社内業務の円滑化、効率化につながる明確なテーマで、短期間研修プログラムに参加させています。研修に参加させる従業員には、研修後もある一定期間、当社に留まり業務を続けてもらうことについて同意していただいています。しかし、これを快く思わない人たちも時にはいます。我が社としては、研修を受けて知識や技術を習得した従業員に、研修後も数年間は我が社のためにその知識や技術を発揮してもらいたいと望んでいるのですが、研修で学んだ知識や技術を使い、すぐに他社に転職したがる従業員がいる傾向もあります。
  
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
 
日本及び日本企業は極めて優秀でとても素晴らしい、と言うのが私の印象です。日本人はとても規律正しく、時間にはとても厳格です。仕事に対する姿勢も誠実であり、信用できます。また勤勉で物事に熱心に取り組みます。「百聞は一見に如かず」ですので、是非、専門家の方には日本を訪れてほしいと思います。なお、結果として物質至上主義である面も日本にはあると思います。
 
今回の工場見学中でとても驚いたことは、日本では女性もとても一生懸命働くということです。これは我々の国では一般的ではありません。企業訪問中、一人の女性コーディネーターの方は、その7階建ての建物の屋上まで、我々と一緒に階段を登り、屋上にある同社の省エネルギーシステムについて案内してくれました。これは私にとって、大変な驚きでした。私の国では、年齢や健康状態に関係なく、どのような状況下においても、7階建ての建物を一緒に階段で登る女性スタッフはいないと思います。この出来事は、日本の女性はとても一生懸命働き、仕事に対してとても誠実に、かつお客をもてなしてくれる、ということを意味していると思います。
 
工場で働く全ての人たちは皆、今回の我々の訪問をとても歓迎してくれて、同社が利用しているシステムの説明や、我々の質問への回答に最善を尽くしていただきました。これもとても印象深いものでした。
 
日本人は皆、自分の仕事への責任を果たすことに優れています。日本から学び、我が国の文化に取り入れるべきでことがたくさんあります。どの日本企業も、特定分野において一番になることを目指し、他社にとってのベンチマークとなるべく努力しているように見受けました。これは日本の企業文化のとてもよい点です。
 
これが日本と日本人に関する私の率直な感想です。自国に持ち帰るべきとても良い学びを日本で得ることができました。日本や日本の皆様の今後の幸運を祈念しています。
 
 
ご協力ありがとうございました。
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