経営者インタビュー

『コンプライアンスを重視し、企業の更なる発展につなげる』 ~バングラデシュのアパレルメーカー役員に聞く バングラデシュ

2016年9月16日(金)11:00

Babylon Group社
Mr. Mohammad Hasan (Executive Director)
Bangladesh
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3zeg6iix6co8a8vvoyxv-2248b0db.jpgHIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
 
今回、バングラデシュでアパレル製造企業を営む参加者にお話しをうかがいました。



-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
 
 
私が勤務しているのはBabylon Groupという名前のアパレルメーカーです。1986年にRMG(既製服)分野で事業を始め、徐々に事業を多角化し、5年ほど前に農業とITの分野に進出しました。しかし当社の主な事業は、事業全体のおよそ80%を占めるRMG分野です。現在当社は、この3つの分野で18の事業部門を持ち、年間の売上高はおよそ1億5,000万米ドルです。社員は現在1万2,000人ほどいます。
 
 
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
 
 
企業経営というのは、さまざまな要素を統合したシステムであり、それぞれが適切なマネジメントを維持していく上で重要な要素となります。当社の経営哲学は、社内で透明性が高く説明責任をきちんと果たすマネジメントを行うことです。その他に、マネジメントの体制を効果的でオープンなものとし、意思決定のプロセスにおいて雇用される側と雇用する側の双方が参加することも同様に、経営上重要であると考えています。当社は、倫理にかなった取引慣行を守り、高品質の製品を提供し、環境への配慮と社会的利益、そして社員の福利を重視しています。コミュニティー内に非営利の医療センターを運営して、社員だけではなく現地コミュニティーの人々にも無料のヘルスケアサービスを提供するなど、確実に社会に変化をもたらすようなCSR活動にも力を入れています。
 
 
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
 
 
はい、会社の成長の妨げとなるビジネスにおける課題はいくつかあります。社内の課題は、例えば、技能の高い作業員の不足、社員の離職率が高いこと、インフラ開発や電気・水道など設備の問題です。外に目を向けると、他国との価格競争があります。バイヤーの条件の中でコンプライアンスが求められることがたびたびあります。ローエンドの製品でこうしたコンプライアンスが求められることは大きな課題です。
 
トップマネジメントチームの一員として課題に対処するためには、生産性を向上できる効率的な労働力を確保することが重要だと私は考えます。当社では、効率と作業員の負荷を測定するために人間と機械の比率を検証しています。また、シニアマネージャークラス向けのリーダーシップやモチベーション管理、中級以下のマネージャークラス向けの技術スキル開発など、スキル開発のための社内トレーニングも行っています。離職率を下げて定着率を上げるために、KPI(主要業績指標)を使ったモチベーション対策なども取っています。コンプライアンスの問題は、会社にとって大きな費用負担となりますので、重要視しなければなりません。そのために重要なことは、中核の権限を一本化して、すべての活動をモニターし、複数機関による監査の重複をなくすことです。残念なことに、実際に多くの省庁がこの縫製産業に関与しているというのが現実です。
 
 
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
 
 
最近の縫製産業のビジネスの傾向は安定していません。季節によって変動し、内外の多くの要因に左右されています。こうした変動が生産と縫製産業全体にマイナスの影響を与えています。当社の事業の中心は海外です。欧州や北米のほとんどの国の有名ブランドと取引しています。欧州や米国のほかに、南アフリカや中国、オーストラリアや日本とも取引があります。
 
ラナ・プラザのビル崩壊やタズリーン・ファッションズの工場火災などの悲惨の事故があってから、国際社会は「コンプライアンスを徹底しないなら、取引はしない」などとして、バングラデシュとのビジネスをある程度制限しています。これによってインフラと規則の順守という面では、業界に一定の変化がありました。当社もその段階で同様の修正を加えました。当社にとって日本は、期待している取引先であり、現在、3つの日本企業と取引しています。さらに日本との取引を増やすことに力を入れています。
 
 
-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?
 
 
そうですね、当社は常に海外事業を拡大したいと考えています。近年、サプライヤーの国がバイヤーになってきていますので、我々にとってはマーケット自体が拡大しています。例えば、中国は世界中に大量に製品を輸出している国ですが、他の国から大量に輸入もしています。当社は生産能力に応じて、アフリカ諸国やアジア諸国へ事業を拡大するつもりです。
 
当社が現在重視しているのは、マネジメントの能力構築、廃棄物の管理、エネルギーの節減、スキルの向上です。電気や水道が常に使えるようになり、インフラ開発が進めば、生産能力を大幅に拡張することができます。
 
当社は日本とはすでに取引をしており、拡大の傾向にあります。ボトムスもトップスも販売されており、どうなるかを見ています。当社のボトムスの30%が日本に輸出されています。現在は、ニット製品を日本のマーケットで販売しようと考えています。日本の市場でさらに成功するために、品質を重要と考え、品質を損なうことなく納期も重視したいと思っています。
 
 
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
 
 
当社の人材管理の方針は、顧客とともに社員も満足させるというものです。できるだけ良い待遇を提供し、能力とスキルを持った人材を育て定着させるよう努めています。当社は社員を家族の一員と考え、社員の満足を最優先しています。
HRDの大きな課題は定着、スキル、モチベーションです。この業界では労働者の離職率は非常に高くなっています。これがビジネスの成長において障害となっています。離職率はできるだけ低くする必要があると思います。スキルを持った社員の不足も課題です。
透明性が高く説明責任をきちんと果たす、参加型のマネジメントシステムにより、社員のスキル、モチベーション/倫理、定着という3つの問題に取り組んでいくつもりです。日本での研修が、当社のHRの方針をアップグレードするという私の目標達成に役立ってくれることを願っています。  
 
 
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
 
 
日本人と日本企業への私の印象を一言で表すと、「素晴らしい」の一言につきます。人々はとても誠実であり勤勉であり、またたとえ不愉快な状況においても笑顔で対応しているように見受けました。彼らが従事するどのステップにおいても申し分なかったです。私はアジアやヨーロッパ諸国を訪問したことがありますが、このような責任感や規律の正しさはほかのどの国でも見ることはできませんでした。
 
今回訪問した企業はとても明確なビジョン、達成すべき長期的目標を持っていて、組織と従業員の間に強い関係性、関わり合いがありました。従業員は当事者意識をもって働き、品質を意識して働き、時間を効率的に使っていました。日本の方に敬意を表したいと思います。
 
 
 
ご協力ありがとうございました。
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