経営者インタビュー

『我々のビジネスをさらに成長させるためには世界に向けて事業を拡大し、ダイナミックな機会に満ちた市場に参入していくことが必要』 ~自動車産業を主として多角的な事業を展開するエジプト企業役員に聞く (1/2) エジプト

2017年4月7日(金)13:00

※本記事は2回に分けて掲載します。
  本記事は第1話の掲載分です。
  <第2話はこちら>

Seoudi Investment Group (SIG)
Mr. Maged Mahmoud Mohamed Ahmed (Corporate Planning Senior Director)
Egypt

Seoudi Investment Group (SIG) Mr. Maged Mahmoud Mohamed Ahmed (Senior Director) Egypt HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。

 今回、エジプトで自動車関連事業を中心に様々な分野でプロジェクト実施・投資を行う企業の役員にお話しをうかがいました。


-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。

 Seoudi Investment Group (SIG)は1938年、自動車関連の事業を営む小さな家族経営企業として設立されました。設立者のDr. Abdel Moneim Seoudiはエジプトでも有名な大きな成功を収めたビジネスパーソンで、日本・エジプト経済協議会の会長を務めるなど、日本とも深い関係がありました。創立より80年間成長を続け、当社は世界中でプロジェクトを実施し投資を行う、エジプト有数の大企業となりました。4,000名にのぼる素晴らしい従業員を擁し、貿易を含む自動車、衣料、農業、不動産、建設、小売、流通、飲料と食品、再生可能エネルギーという9つの事業分野すべてにおいて、当社は市場をリードする企業に名を連ねています。

 1975年、The Modern Motorsというエジプトの自動車関連企業との提携から、当社の誇る国際的企業との素晴らしい提携の歴史が始まりました。The Modern Motorsは自動車販売とその後のフォローアップを担うコマーシャル面に強みを持つ企業です。その後、世界的にみても優れた企業になるという目標に基づき熱意と先見の明をもって誠実に事業に邁進してきた結果、1996年には国際的な持株会社となるべくSeoudi Investment Groupを立ち上げるにいたりました。

 当社の主力事業は自動車関連事業であり、自動車部品組立、自動車製造、販売とアフターフォロー、自動車部品生産といった分野が当社事業全体の6割を占めています。自動車製造の分野で中心となっているのは、1988年にエジプト初の自動車組み立てプロジェクトとして設立されたスズキと当社のジョイントベンチャーであるスズキエジプト社です。

 自動車産業以外の新事業分野は、事業を多様化し、国内ではなく国外市場に参入する戦略の一環として、当社を率いる2代目である創業者の子息が立ち上げたものです。当社はこうした新事業により、経営のリスク分散をはかり、当社のビジネスの健全性を担保できると考えています。


-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。

 我々は人々が最も重要であるという信念に基づき、当社従業員であるかお客様であるかを問わず、常に様々な形で人々を力づけ、幸せになっていただきたいと考えています。従業員は我々のビジネスの基礎となる存在であるため、ロイヤリティプログラムや社内トレーニングをはじめ、様々な福利厚生を提供することにより、常に当社で勤務することに満足してもらえるようにしています。また、当社のお客様に対しては常に考えうる最高の品質を提供できるよう努力しています。従業員がお互い切磋琢磨する労働環境を作り出し、それによって高い品質を誇る製品やサービスを提供することで、お客様に最大の利益を提供できればと考えています。

 当社は当社の持つ価値観に重点を置いています。最高の品質、競争力のある価格、便利なサービス、最新の技術、常にお客様の期待を上回ること、などを通して、我々の信じる価値観をお客様にお伝えしています。こうした事業展開における素晴らしい機能性や効率性へのこだわりが、当社をして現在エジプト市場を牽引し、お客様の強い信頼をたまわる企業とならしめた要因です。

 社会への貢献も当社の経営理念の一つです。我々は社会をとても重要なものととらえ、本当に社会の一員となるためには社会に参画し、我々の周りにいる方々の生活の質の向上に貢献していく必要があると考えています。そのため、我々はこれまで我々がビジネスを展開するコミュニティの成長に積極的に貢献してまいりました。


-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?

 エジプト経済の現況が我々の直面する問題です。エジプト経済は、2011年のいわゆる「エジプト革命」とそれにともなう反政府デモや大統領選挙をきっかけに落ち込みました。その後いくつかの大統領選を経て状況は落ち着きを見せはじめたものの、未だに不安定な政治情勢は購買力や海外からの投資に影をおとしており、状況はさらに悪化しています。エジプトの通貨エジプト・ポンドは変動相場制への移行による通貨切り下げのため、その価値が過去2年間で65%以上も下落しました。現在でも深刻な外貨不足のため、エジプト・ポンドは安定せず、日々上がったり下がったりを繰り返しています。結果として、エジプトの国内市場は2016年以来、20%も縮小してしまいました。

 この状況に対処するため、当社は特に自動車関連製品と衣料品を中心として、主力製品の輸出に力を入れ始めました。現在、自動車関連製品についてはアフリカと地中海沿岸諸国の市場をターゲットとしており、また衣料品は主にヨーロッパに輸出しています。自社製品を輸出する戦略により、エジプト経済が困難な状況にあっても、外貨獲得が可能となります。また、自動車関連製品と衣料品に注力することは、例えば新しい工場の建設等につながり、ひいてはエジプト経済の要である製造業の発展を後押しすることにもなります。製造業はその他の多くの産業と結びついている裾野の広い産業であるため、工場建設や製品生産量の増加を通じて関連他社を応援することもできます。現在、我々は衣料品の分野で、靴下と下着の新しい生産ライン開設に向けて動いています。


-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。

 当社はスズキや日産をはじめとしていくつかの日本企業と長期的な関係を築いています。また、それに加え、同じような関係を三菱フォークリフト、コベルコ、ユニクロと構築するため交渉を進めています。
現時点で当社は日本だけでなくスペイン、イタリア、スーダン、エチオピア、リビアといった国々の企業とビジネスパートナーとして業務提携を行っており、今後もこうしたパートナーとはプロフェッショナルとして関係を維持していくことになるでしょう。今後の計画としては、エジプト経済の状況や通貨切り下げなどのエジプト政府の経済政策への対応をはかるため、特に自動車関連製品と衣料品の分野でこれらの国々への輸出を増加させていきたいと考えています。
 
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