市場レポート

スマート農業に関する調査を実施(2016年)~2018年度以降、農機の無人運転を実現する精密農業により、市場は拡大推移と予測~ 日本

2017年5月11日(木)13:00

【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内におけるスマート農業について調査を実施した。
  1. 調査期間:2016年7月~9月 
  2. 調査対象: スマート農業参入事業者、農業法人<水稲/農園芸(野菜・果樹・花き)/酪農・畜産>、関連団体・協会、管轄官庁等
  3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail等によるヒアリング調査および文献調査併用
<スマート農業とは>
本調査におけるスマート農業とは、従来からの農業技術とロボット技術やICT等の先端技術を連携させることで、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業であり、農業の生産から販売まで先端技術を活用し、高い農業生産性やコスト削減、食の安全性や労働の安全等を実現するものである。

<スマート農業市場とは>
本調査におけるスマート農業市場規模は、①栽培支援ソリューション(農業クラウド、複合環境制御装置、畜産向け生産支援ソリューション)、②販売支援ソリューション、③経営支援ソリューション、④精密農業(GPSガイダンスシステム、自動操舵装置、車両型ロボットシステム)、⑤農業用ロボットを対象として算出した。(詳細は表1を参照のこと) なお、国内市場を対象とし、市場規模には農業向けPOSシステム、農機、農業用ドローン等は含まれていない。

【調査結果サマリー】
◆ 2015年度のスマート農業国内市場規模は972,400万円、
栽培支援ソリューションが全体の約3割を占める
 2015年度のスマート農業の国内市場規模は97億2,400万円と推計した。内訳をみると、栽培支援ソリューションが30億6,700万円(栽培支援ソリューションの内訳:農業クラウド11億2,500万円、複合環境制御装置14億2,500万円、畜産向け生産支援ソリューション5億1,700万円)と全体の約3割を占め、販売支援ソリューションが9億7,300万円、経営支援ソリューションが25億6,300万円、精密農業が29億500万円(精密農業の内訳:GPSガイダンスシステム10億500万円、自動操舵装置19億円)、農業用ロボットが2億1,700万円であった。

◆ 2022年度のスマート農業国内市場規模は331億8,600万円に拡大すると予測
 スマート農業の国内市場は、2017年度頃まで栽培支援ソリューションが中心となり、2018年度以降は、販売支援ソリューションや経営支援ソリューションが拡大する見通しである。その後、農機の無人運転を実現する精密農業が普及する見込みで、2022年度の同市場規模は331億8,600万円まで拡大すると予測する。
 
図1.スマート農業国内市場規模推移と予測
図1.スマート農業国内市場規模推移と予測
矢野経済研究所推計
注1.事業者売上高ベース
注2.2016年度は見込値、2017年度以降は予測値
注3.スマート農業市場規模には、農業向けPOSシステム、農機、農業用ドローン等は含まれていない。
 
出所:株式会社矢野経済研究所


 
図2. 2015年度スマート農業国内市場 分野別構成比
図2. 2015年度スマート農業国内市場 分野別構成比

 
矢野経済研究所推計
注4.事業者売上高ベース
注5.四捨五入のため、図内の合計値が一部異なる
 
出所:株式会社矢野経済研究所
 
表1. スマート農業 ソリューション分野別定義
 
ソリューション名 定義
栽培支援
ソリューション
農業クラウド 農作業に関わるデータをインターネット上で管理し、生産性を向上させるシステム
複合環境制御装置 外気温度、ハウス内温度、湿度、日射、CO2濃度等を測定し、それぞれ最適な状態にするために暖房機や保温カーテン、換気や遮光を自動制御するシステム
畜産向け生産支援
ソリューション
畜産業の生産コスト低減のため、情報通信技術(ICT)を活用した計画的繁殖による経営効率化を実現するソリューション
販売支援ソリューション
  • 気象情報や栽培情報等のデータを分析し、農作物の収穫予測及び需要予測を行うことで農作物の安定供給につなげるソリューションで、②や③に加えて、生産者の販売支援を目的とするシステム
  • 農作物を調達している食品関連事業者の4定(定量、定時期、定品質、定価格)を実現する
  • 全国農業協同組合連合会(JA)の職員の業務をICTで軽減する
経営支援ソリューション
  • 農業向け会計ソフトや農業法人の会計業務をICTで支援するソリューション
  • 気象データや過去の気象情報を基に、収穫時期や収穫量を予測し、発生する病害虫等を事前把握することができるソリューションや、与信管理や農家向けの収入保険などの金融機関や保険会社で利用されるソリューション
精密農業 GPSガイダンスシステム GPS機能によりトラクター等の農機の位置を測位し、走行経路を表示する装置
自動操舵装置 GPSガイダンスシステムにより示された走行経路に沿ってトラクター等の農機を自動でハンドリングする装置(無人走行ではない)
車両型ロボットシステム GPS受信機、ロボットコントローラー、センサーなどをトラクター、田植え機、コンバイン等の農機に付け、複数農機による協調作業や、農機の完全無人運転を可能にするシステム
農業用ロボット 設備型ロボット(接ぎ木ロボット等)、マニピュレータ型ロボット(収穫ロボット等)、作業アシスト型ロボット(パワーアシストスーツ等)

 
出所:株式会社矢野経済研究所「スマート農業に関する調査を実施(2016年)」
URL: http://www.yano.co.jp/press/press.php/001613
 
本件に関するお問合せ先 (http://www.yano.co.jp/
株式会社矢野経済研究所 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:press@yano.co.jp
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